子どもが小学校に上がるとき、一人での登校は心配になりますよね。
ちゃんと学校までの道のり歩けるか、飛び出して車に引かれないか、寄り道しないで帰れるか・・・。
心配事は尽きませんが、その一つとして「防犯」も考えておくべきひとつの大事な要素だと思います。
今回は子どもの防犯について、オススメ本と体験談をご紹介します😃
自分の子も犯罪に巻き込まれる可能性がある
まだべったりとママにくっついている時期はそれほど気にしないと思いますが、3歳くらいになり、子どもが少しずつ一人で行動できるようになったり、小学生になって一人で登下校したり公園で遊んだりできるようになると、犯罪者に狙われる機会はぐっと高くなります。
最近(2022年5月)、2011年に起きた3歳の子が多目的トイレで殺されてしまった事件が、改めて親たちへの注意喚起と言う意味を込めてTwitterで話題になっていました。私の地域では、警察のメールに登録しておくと不審者情報が届くのですが、毎日のように何か届きます。そして不審者に声をかけられているのは未成年者、特に小学生が多いです。
けっして「自分の子は大丈夫」と思わないでいることが大切です。
「人」ではなく「場所」で防犯する
私が子どもの防犯を考えるときに最も役立った本がこちらでした。
この本では、「犯罪者は、入りやすく、見えにくい場所を好む。その場所を回避することで、犯罪に合う機会を減らすことができる」と書いてあります。
この「場所」で防犯するという考え方は、「犯罪機会論」と呼ばれ、世界では主流の防犯の考え方なのだそうです。
怪しい「人」は見分けられないが危険な「場所」はわかる
私の子どもたちの学校や保育園でも、「不審者訓練」は年1回程度行われています。でも内容は、「黒ずくめで帽子とマスクとサングラスをしたいかにも怪しい人が窓のそばに来たときに、どう対応するか」・・・・。
そもそも、犯罪を犯そうとする人は、そんな怪しい目立つ格好でウロチョロするはずありません。むしろ疑われないようにいたって普通の恰好をしています(実際に捕まった犯罪者の中でも、犯行時に帽子やマスク・サングラスをしている人はほとんどいないそうです)。
それから、不審者に会ったときは「いかのおすし」(いかない、のらない、おおごえを出す、人に知らせる)で対応せよと教えているのが一般的ですが、実際にもし子どもが一人きりのとき、不審者から確実に逃げることができるでしょうか?大声を出したとして、発覚を恐れた犯人がとっさに口を塞いで殺してしまうということもあるかもしれません。
信じられない例ですが、よく知っている友達のパパに車で誘拐され、殺されてしまったという話もあります。公園などで優しく子どもに声をかけ、先に知り合いになっておいて、警戒心を解いてから犯罪を犯すパターンもあるそうです。この場合、「知らない人」にはついていっていませんよね。もし自分の子どもが・・・と思うと、本当に恐ろしいです。
つまり怪しい「人」を見分けることはできないんです。でも、「犯罪を犯しやすい場所」は見分けることができます。
この本では、不審者に会ったときの対応は「クライシス管理」、会う機会そのものを減らすことを「リスク管理」としています。
入りやすく、見えにくい場所を避ける
犯罪者は、「入りやすく、見えにくい場所」を好むそうです。つまり、逃げやすくて、誰にも見られないところを狙って、犯行に及ぶとのこと。
「見えにくい場所」は「物理的に見えにくい」「心理的に見えにくい」の2パターンあり、さらに2パターンに分けられるということなので、図解してみました。
「入りやすい」というのは公園や、施錠されていない学校も当てはまるそうです。昔、施錠されていない学校に犯罪者が入り込み、児童を殺してしまった犯罪がありましたね。あれから、学校のセキュリティは厳しくなったようです。
「見えにくい」というのは、物理的にも心理的にも「人が見ていない」場所です。ショッピングモールの奥まったところにあるトイレだったり、たくさん人がいすぎて、他人に関心を払わない繁華街だったり。人が少なくても多くても、「誰も見ていない」場所で、犯罪者はターゲットに近づき、犯行に及ぶそうです。
子どもに危険な場所をどう教えるか
子どもには「入りやすく」「見えにくい」場所は危険であると判断する「景色読解力」をつけさせようというのが本の主張です。
たとえば、
「通りの両側に塀の高い家が続く道路」→人の目が無く、見えにくいので危険。
「周りが木で覆われていてフェンスが無く、小高い山のようになっている公園」→入りやすいし、外から中が見えにくいから危険。
「粗大ごみが放置されている空き地」→住人の無関心を連想させ、犯罪を行っても発覚しなさそうな場所のため危険。
こんな感じです。私も実際に娘と街を歩きながら、「ここは人の目が届きにくいから危険だよ」と教えることがあります。「ここは車のスピードが速いから気を付けるんだよ」と交通ルールを教えるのと同じ感覚です。
キッズ携帯のGPSは有能
子どもに防犯意識や危険な場所の知識を教えるのはもちろんのこと、他にも家庭でできる対策はしておいたほうが良いと思います。
私は長女が小学1年生のときからキッズケータイを持たせています。仕事で遅くなる時や、何かあったときのために連絡が取れるように持たせたのですが、このGPS機能が結構優秀で、防犯にも役立つなと感じています。
親の付き添いなしで公園に遊びにいくようになった小2からは特に、居場所がわかるので便利になりました。すぐに連絡が取れる状態と言うのも安心ですよね。
もちろん、もし犯罪者につかまり、携帯を置いてさらわれてしまったりしたらもうアウトなのですが・・・その場合でもどこで携帯を落としたかはわかるので、足取りを掴むことくらいはできる気がします。
ちなみに防犯ブザーも入学時に配布され、ランドセルにつけていますが、いたずらで鳴らしてしまう子も多く、実際に使っても「またいたずらね」と思われてスルーされてしまうケースもあるようなので、それほど意味はないのではないか・・・と個人的には感じています。
街の危険な場所を気を付けて見てみよう!
こうやって、犯罪者が選ぶ場所がわかると、自分の街にもそういう場所がないか気になってきませんか?子どもの安全を守るために、普段過ごしている場所を「ここは大丈夫か?」という目で見てみると、色々と発見があるんじゃないかと思います。
それから、やっぱり子どもをトイレに一人で行かせるのは危険です・・・。小学生になっても安心せず、できるだけ見守り、本人にも「危険があるかもしれない」という意識付けをしていきたいですね。
ご紹介した本では具体的な事例がたくさん書いてあるので、ぜひ読んでみてくださいね😊